Z4のリアのブレーキディスクローターとブレーキパッドを交換しました。
基本的な構造はフロントと同じです。
こちらの記事を見る前にフロントの交換作業にも目を通した方がイメージが湧きやすいと思います。
DIXCELブレーキディスクローターPD&ロッキード低ダストブレーキパッド
ブレーキディスクローターはPDタイプ
ブレーキパッドはロッキードの低ダストブレーキパッドです。
品番:LP1423
BMW Z4のブレーキパッド&ブレーキディスクローター交換方法
まずはジャッキアップしてタイヤを外します。
後でブレーキディスクローターを外しやすくするためにラスペネを吹きかけます。
赤丸付近が固着しているので吹きかけるというよりはジワッと浸透させる感じですね。
正直なところ、どう頑張っても内部まで浸透しないので意味があるのかなと思いますが、やらないよりはいいかもしれません。
ブレーキパッドセンサーのコードを留めているクリップ2か所を外します。
ここで問題発生。
ブレーキパッドセンサーがどうしても外れません。ダストまみれで汚かったのでパーツクリーナーを吹きかけまくったのですがビクともしません。
ブレーキパッドセンサーのコードはすごく細いので無理やり引っ張るわけにもいかず、かといって本体を上手くつかむこともできず。ラジオペンチで色々やってたらコードの被膜がこんなになってしまいました。
これ以上無理してブレーキパッドセンサーが壊れてしまったらさらに面倒なことになるのでとりあえず後で外すことにします。
固定スプリングを外します。
①を支点にして②を押し当てて矢印の方向に力を入れれば簡単に外れます。クリップリムーバーがオススメですがマイナスドライバーでも大丈夫だと思います。
固定スプリングが外れました。
6番のガイドボルト(上下2か所)を外すために5番のキャップをクリップリムーバーで外します。
※ 画像は反対側です。
上下2カ所あります。
6番のボルトは7mmと特殊なサイズなので普通の六角レンチセットにはありません。ホームセンターで2~300円ほどで売っているのであらかじめ購入しときましょう。
6番のボルトの裏側はクリアランスがほとんどないので六角レンチをこの状態で回さないといけません。これだとちょっとずつしか回せないのですごく時間が掛かります。
そこで、奥のリアサスペンションの下側のボルトを外せばスペースが確保されて作業しやすくなります。
私の場合は外さずに作業したのですが、少しでも作業スピードを速めたい場合はボルトを外した方がいいと思います。
6番のボルトは回してもなかなか外側に出てきてくれません。
その時は六角レンチで外側に引っ張るような感覚で回せばボルトが出てきます。
それでも上手くいかない場合は上側から(下のボルトは下側)覗き込むとボルトのねじ部分が見えますので、ここをマイナスドライバーで引っかけるとスルスルっと外に出てきます。ねじ山をつぶさないように注意してください。
キャップとボルトが外れました。
ブレーキキャリパーはフリーの状態ですが固着しているので手で外すのは難しいです。
そこで、マイナスドライバーで上下の赤丸の部分を交互にグリグリします。ブレーキディスクローターを支点にしててこの原理でブレーキキャリパーを剝がしていくイメージ。
外れました。
ここでブレーキパッドセンサーを外します。
マイナスドライバーを突っ込めば簡単ですが壊さないように注意しましょう。
ブレーキキャリパーをそのままにしておくとブレーキホースに負荷が掛かるのでこのような感じで高さを稼ぎます。
ブレーキディスクローターの箱を2つ重ねるとあら不思議、ぴったりです。
要はブレーキホースに負荷が掛からなければいいわけです。
フロントの時はブレーキキャリパーを紐で吊っていたのですが、ブレーキピストンを戻す時の作業性を考えたら置いた方が断然いいです。
ブレーキバックプレートとブレーキキャリパーにブレーキパッドが残っているので外します。
外れました。
新旧比較。
フロントに比べるとだいぶすり減っていますね。
今の走行距離が90,000kmなんですけど、さすがに無交換じゃないとは思いますがどうなんでしょう?輸入車のブレーキパッドは摩耗しやすいって聞きますし。
2番のブレーキバックプレートを外すために3番のボルトを外します。
3番のボルトは16mm。
結構固いのでスパナだと外すのは難しいです。
ボックスソケットとラチェットをセットしてプラハンで矢印方向から叩くと外しやすいです。一気に叩くのではなくコツコツという感じ。
外れました。
ブレーキバックプレートはダストまみれなのでパーツクリーナーでササっと掃除しておきます。
位置決めのボルトを外します。
六角の6mmです。
ブレーキディスクローターはサイドブレーキを引いた状態では外れません。
ここでサイドブレーキを下ろしておきます。
ブレーキディスクローターは固着していて外すのはけっこう大変です。
これは外した後の写真ですが、固着している部分は赤丸の箇所になります。意外と固着している範囲は広くありません。面というよりは線で固着している感じですね。
フロントの時はブレーキディスクローターを外すのにかなり苦労したのですが、いい方法を見つけました
①をプラハンで表から叩きます。ブレーキディスクローターを回してこの作業を何回か繰り返すと「カキーン!」といい音がしてブレーキディスクローターが外れます。時間にすると3分くらい。
どういうことかというと、①が力点、②が支点、③の固着が作用点になっているわけです。DIYでは「てこの原理」が大活躍です。
フロントの時は裏側から一生懸命ガンガン叩いていたのですがこっちの方が断然楽です。
固着していた錆の部分をできるだけ綺麗にしておきます。
パーキングブレーキのブレーキシューは奥の方に設置してあります。
サイドブレーキを引くとブレーキシューが外側に開きブレーキディスクローターの内側と接触します。先ほどサイドブレーキを下したのはこのためです。
このあたりは今回の作業ではいじりませんがせっかくなのでパーツクリーナーで掃除しておきます。
新しいブレーキディスクローターを取り付けてガイドボルトを締めます。
ブレーキバックプレートを取り付けます。
上下のボルトは110Nmですが、力を掛けづらいので大変です。根気強くがんばりましょう。
ブレーキパッドの摩耗の分だけブレーキピストンが飛び出ています。
ブレーキピストン戻しは簡単・確実のSST推奨です。
吊っている場合と比べてめちゃくちゃ作業しやすいです。
ブレーキピストンを戻す時は、ブレーキフルードが溢れないようにブレーキマスターシリンダーを小まめにチェックしましょう。
ブレーキピストンが戻りました。
ブレーキバックプレート側に金具の付いていないブレーキパッド。
ブレーキキャリパー側に金具の付いているブレーキパッドをセットします。
金具はピストンの中に差し込みます。
ブレーキキャリパーをグイグイと押し込みます。
ここで入らない場合はブレーキピストンが完全に戻っていない可能性があるので確認してみましょう。
ガイドボルトを取り付けます。
六角レンチは一気には回せないので地道に回していきましょう。
回しても回しても締まらない場合は受けにボルトが受けに入っていない可能性大です。
覗き込んで受けに嵌合しているのを確認しながら回してみてください。
固定スプリングはすんなりと入ってくれません。
下側をはめ込んでから、①を手で押さえつつ入れ込みながら②をマイナスドライバーで入れ込む…でうまくいきました。
ブレーキパッドセンサーは被膜がむき出しだと気持ち悪いのでビニールテープで保護しときます。
差し込みイメージはこんな感じ。反対側にはどうやっても入りませんので無理して押し込まないようにしましょう。
これで完成。
最後にガタや部品と取り付け忘れがないか確認しましょう。
ブレーキは超重要部品ですからね。
ホイールを綺麗に洗ってから組付けます。
ブレーキパッド交換直後は停止状態で何回かブレーキを踏みこんでください。
その後もいきなり高速で走るのではなく、念のため低速でブレーキをじわりと効かせましょう。
いや~新品に交換すると気持ちがいいですね!
低ダストのブレーキパッドなので今後はホイールを洗う頻度も減りそうです。