Z4のブレーキダストに悩まされ続けて早5年。この度念願のブレーキパッドを交換することができました。ついでにブレーキディスクローターも交換です。
いや~
疲れましたねぇ…
作業工程自体はそんなに多くないんですけど、DIYあるあるの「部品が外れないトラップ」がいくつかありまして。
そういえば、ロアコントロールアームとかタイロットエンドの時も同じようなトラップに引っかかっていますね。そう考えると足回り系は結構大変ですね。そもそもジャッキアップしてタイヤを外すのだけでも一苦労ですからね。
DIXCELブレーキディスクローターPD&ロッキード低ダストブレーキパッド
ブレーキディスクローターは安心と信頼のDIXCEL製をチョイス。
スリット入りの高価な物(SD)もありますが、サーキットを走るわけではないので普通のPDタイプにしました。
街乗りならこれで十分です。
パーツナンバー:1212623
ブレーキパッドはDIXCELの低ダストタイプにしたかったのですが、納期が1~2か月くらいかかるとのことで断念。
やむなくロッキードの低ダストタイプにしたのですが、これでも十分でした。お値段もDIXCELの3分の1です。
BMW Z4のブレーキパッド&ブレーキディスクローター交換方法
まずはジャッキアップしてタイヤを外します。
文章だとたったの1行ですが実際はかなりの重労働です。
フロントジャッキアップの方法はこちら
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固定スプリングを外します。
このスプリングは1番のキャリパーケースと2番のブレーキバックプレートを固定する役割を担っています。
固定用のスプリング(バネ)なのでかなり強力です。外すのはちょっとしたコツがあります。
※ 図は反対側(運転席側)のものです。
〇の部分にクリップリムーバーを差し込んで矢印方向に固定スプリングを動かします。テコの原理で簡単に外れます。
エーモンのクリップリムーバーは絶妙な角度が付いているのでDIYに超オススメの工具です。
外れました。外側はこれで終了。
次は内側です。
ブレーキパッドセンサーを外します。
引き抜くだけですがコードではなく本体部分をつまんで引き抜きます。コードは細いので雑に扱うと断線するかもしれません。
※ ブレーキパッドセンサーは助手席側のみ付いています。
右下が引き抜いたパッドセンサーの先端です。金属製のパーツが外れやすいので無くさないように気を付けましょう。
コードの途中がクリップで固定されていますがこれも外します。ここを外しておけば作業が断然しやすいです。外したパッドセンサーのコードは奥の方によけておきます。
ちなみに、今回はブレーキパッドの警告灯が点灯する前の交換なのでパッドセンサーの交換は不要です。
もし警告灯が出た場合はパッドセンサーも交換する必要があります。パッドセンサーのコードはタイヤハウスの黒い箱に続いているので、ここを開いて交換してください。
6番のボルトを外すために7番のキャップを外します。
クリップリムーバーをひっかければキャップは簡単に外れます。
6番のボルトサイズは7mm
「マニアックなサイズのボルトやナットを使っている」は輸入車あるあるです。
手持ちの六角レンチセットに6mmと8mmはありますが7mmは無かったので単品で買ってきました。ホームセンターで200円ほどで手に入ります。
上下2本のボルトを外します。
裏表逆なので回す方向も反対になります。いまだに「あれ?どっちに回せば?」となります。
回しても回してもボルトが出てこない場合は、手前に引きながら(引くような感覚で)六角レンチを回してみてください。
さぁこれでブレーキキャリパーはフリーになったので外れるはず…ですがクリアランスがタイトなのか手で動かしても簡単には外れそうもありません。
色々やってみたのですが、上下の赤丸の部分にマイナスドライバーを突っ込んでグイグイやるのが一番でした。
交互に10往復くらいグイグイするとキャリパーがちょっとずつ外側にズレていきます。根気強くいきましょう。
外れました。ブレーキキャリパーが完全にフリーになるので落とさないように気を付けましょう。
(片手で支えつつ撮影しないといけないのでかなり無理しています…)
ブレーキパッドがキャリパー側とブレーキバックプレート側に残っているので外します。
ブレーキキャリパーをそのままにしておくとブレーキホースに負荷が掛かるのでサスペンションに紐で吊るします。
あらかじめ紐を用意しておきましょう。
新旧比較。まだ1~2万キロくらいは大丈夫だと思いますが、低ダストに変えたかったのと予防整備ということで良しとします。
ブレーキバックプレートを外します。
ブレーキバックプレートは2本のボルト(上下)で固定されています。
このボルトはなかなか固くてやっかいです。
位置的に力を掛けにくいのです。
サイズは16mm
スパナじゃどうしようもなかったです。
そこで、ボックスソケットをセットしてプラハンでガンガン叩く作戦に変更しました。
これが功を奏して成功!ふぅ…良かった。
プラハンはこの後も大活躍します。
ブレーキバックプレートが外れました。
この時「これ、戻す時もトルクを掛けないといけないから大変だな。」と思っていましたが案の定大変でした。
ようやくブレーキディスクローターだけになりました。
位置決めの小さいボルト(六角レンチ6mm)を外します。
このボルト、錆で劣化が激しいのでできれば新品に変えた方がいいですね。レンチも若干なめ気味でしたし。
ebayに1,000円くらいで出品されているので事前に購入しておくことをオススメします。
品番: 34211161806
さて、ここからが問題です。
ブレーキディスクローターとハブが固着してビクともしないんですよね。
結論を言うとプラハンで地道に叩きまくったら外れたのですが、助手席側15分、運転席側30分も時間が掛かりました。もう手が痛い。
運転席側はあまりにも外れる気配がないのでラスペネを大量に吹き付けたらなんとかなりました。錆の固着って恐ろしいほど固いですね。
ググると皆さん色々苦労しているなぁという感じです。他人事とは思えません。涙
新旧比較。
ブレーキディスクローターもまだ使えそうな感じでしたが、ブレーキパッドと同時交換推奨ということで新品に替えます。
参考までにブレーキディスクローターを外した状態の写真も掲載しときます。
ここからは戻しの作業です。
まずはブレーキディスクローターを取り付けます。
位置決めのボルトを締めるだけ。
ブレーキディスクローターは結構重いので気を付けてください。
ブレーキバックプレートを取り付けます。
このボルトの締め付けトルクは110Nmですが場所的に力をいれるのが難しいです。
トルクレンチがぎりぎり入るスペースはあります。このポジションで回すのが一番楽でした。
ブレーキキャリパーにブレーキパッドをセットします。
ただしこのままだとブレーキパッドは入りません。なぜならブレーキパッドが摩耗した分だけブレーキピストンが飛び出しているからです。(画像中央)
ブレーキピストンはプライヤーなどでも戻せますが、特殊工具の使用をオススメします。均等に力を加えてピストンを戻してくれるので素人でも簡単です。
下手なことをしてピストンを壊せばブレーキキャリパーごとの交換になりますからね。
たかだか1,000円くらいですのでリスクを考えれば専用工具を使った方が安心です。
ブレーキピストンを戻すとブレーキオイルがマスターシリンダー側に押し出されます。
場合によってはブレーキオイルが溢れてしまうのであらかじめ少量抜いておきます。
吊りながらの作業なのでちょっとやりづらいですね。
二人いればサポート役がブレーキキャリパーを持てば作業しやすいと思います。
プレートをブレーキピストンにしっかりと当ててからボルトをくるくる回します。
ボルトを回すことによりプレートが外側に開いていくという単純設計です。
この段階でブレーキピストンは完全に戻っています。
これで厚みのある新品のブレーキパッドが収まるスペースが確保されました。
ブレーキパッドを取り付ける際は鳴き防止のため、「面取り」「グリス塗布」をした方がいいと言われています。
このブレーキパッドは面取り加工がされていたので不要でした。
グリスは(準備するのを忘れていたので)塗らなかったのですが、結果的には特に問題なかったです。
「どちらも別にしなくてもいい」という見解もあるので必須ではありません。
ブレーキバックプレートに金具の付いていないブレーキパッドをセット。
金具が付いているブレーキパッドはキャリパー側です。
金具はブレーキピストンの中に差し込みます。
ブレーキキャリパーをブレーキディスクローターに組み付けます。
内側からボルト2本で留めます。
固定スプリングは固くて戻すのが難しかったです。
まずは画像の状態にしてから①を手で押さえつつ②をマイナスドライバーで広げながら③をブレーキキャリパーに押し込む感じでうまくいきました。
ブレーキパッドセンサーを戻すのを忘れずに。
完成です!
新しい部品を取り付けると気持ちがいいですね。
ブレーキは超重要部品なのでミスが無いように慎重に作業しましょう。
ホイールを綺麗にしてから戻します。
交換後はすぐに走り出さずに停止状態や低速で試し踏みをしましょう。
これでブレーキダストに悩まされることも無くなるはず。
低ダストブレーキパッドについては別記事で検証する予定です。
ここからは余談です。
以前乗っていた車はブレンボのブレーキキャリパーでしたがパッド交換がめちゃくちゃ簡単でした。
サーキット走行が前提なのでこのような設計になっていたんでしょうね。
Z4の場合はブレーキピストンが1つの「片押し1ポット」ですが、このキャリパーはブレーキピストンが4つも付いている「対向4ポット」です。片側2つのピストンでブレーキパッドを両側から押し付けるので繊細なブレーキタッチが可能でした。
ブレーキ1つでも設計や性能に違いがあるので車って面白いですよね。