フロントのサスペンションアッパーマウント(ストラットマウント)を交換します。
アッパーマウントの劣化を感じるわけではないのですが、バンプラバーが劣化しているのでここを交換するついでにアッパーマウントも交換します。
サスペンションを脱着するのでなかなか大変な作業です。
交換部品&必要な工具
フロントアッパーマウント
アッパーマウント(図の1番)はサスペンションとボディのつなぎ目の役割していて、劣化すると異音が発生します。
バンプラバー
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バンプラバー(図の9番)は別名補助バンパーともいい、ショックの底付きを防ぐ役割があります。
ある程度の年数が立っていると劣化してボロボロになっています。
アッパーマウントのついでに同時交換を推奨します。
コイルスプリングコンプレッサー
コイルスプリングを縮める特殊工具(SST)です。
これがないとどうにもなりません。
アルミホイールソケット(21mm)
サスペンションのトップナットを回すために使用します。
本来はアルミホールナット用のソケットです。
ロングヘックスビット(6mm)
トップロックを回す時に共回りを防止するために使います。
6mmのヘックスビットなら何でもいいですが、必ずロングタイプを用意しましょう。
BMW Z4フロントサスペンション取り外し方法
内張り剥がしで簡単に外れます。
21mmのソケットでトップナットを緩めます。
完全に外すのではなく緩めるだけにするのがポイントです。
後ほどサスペンションを外した時に落ちてこないようにフロアジャッキで下から支えます。
サスペンション下部のナックルアーム部分にフロアジャッキを当てて、軽く抵抗があるくらいジャッキを上げます。
サスペンション上下のナット、ボルトを外します。
上側はスタビライザーリンクとの連結部分です。
このナットの外し方は関連記事をご覧ください。
下側のボルトはナックルアームと連結しています。
けっこう固いです。18mm
アッパーマウントのナット(13mm)を3つ外します。
これでサスペンションはフリーになりました。
ここでフロアジャッキをゆっくり下げていきます。
これくらい下げるとブレーキディスクなどのブレーキ部分が手前に倒れてきます。
手前に倒れると繋がっているケーブル類にテンションが掛かってしまうので倒れないように支えます。
さらに少しずつフロアジャッキを下げていきます。
するとナックルアームからサスペンションが抜けるようになります。
サスペンション上部にスペースがあるのでサスペンションを持ち上げながら引き抜くのがポイントです。
ブレーキ部分を倒れないように支える必要があるので、できれば2人で作業するのをオススメします。
サスペンションが外れました。
フロアジャッキをゆっくり上げてブレーキ部分の傾きを抑えます。
最後に紐でくくって倒れないように処置をします。
ブレーキ部分周辺にはホース、ケーブル類がたくさん繋がっているので負荷が掛からないように細心の注意を払います。
BMW Z4アッパーマウント&バンプラバー交換方法
サスペンションの分解作業に入ります。
まずはコイルスプリングを縮めます。
サスペンションの分解作業は危険を伴うので細心の注意を払います。
コイルスプリングコンプレッサーのツメをスプリングに引っかけます。
コイルスプリングコンプレッサーのお尻の六角ネジを回すとスプリングが縮みます。
最初の作業で緩めていたトップナット(21mm)をここで完全に外します。
大きな音がしてサスペンションがバラバラになります。
新旧バンプラバーの比較。
劣化して本来の役目を担っていません。
長さを合わせるためにカットします。
カッターで簡単に切れます。
ブーツの長さも合わせてサスペンションに装着します。
これでバンプラバー関係は終了です。
モンロー製のバンプラバーは耐久性が高いらしいので期待しています。
サスペンションを組み付けるためにコイルスプリングを取り付けたいのですが、コイルスプリングコンプレッサーだけでは縮みの幅が全然足りません。
最大でこれくらいしか縮まないのでこのままでは組み付けができません。
そこで「コイルスプリングコンプレッサーで縮める→紐でしばる」を何度も繰り返します。
地道な作業のおかげでここまで縮まりました。これで組み付けができます。
紐はもっと丈夫な物を使った方がいいと思いますし、これは正規の方法ではないのでご注意ください。
下に段ボールを敷いておくとコイルスプリングが傷付きません。
サスペンションはたくさんの部品で構成されているので、組み付けの順番や上下の向きなどが分からなくなります。
こちらの図を参考にすれば正しい順番で組み付けることができます。
コイルスプリングの下端の位置は元の場所に合わせておきます。
トップナットを締めますが、このままだとサスペンションの軸が回転して共回りしてしまいます。
そこでアルミホイール用の21mmナットを使います。
ナットの中のスポンジを除去してセットします。
ヘックスビット(6mm)とラチェットを組み合わせます。
ヘックスビットで軸を固定したまま、トップナットをスパナで締め付けます。
このソケットはスポンジを除去すると中が貫通するようになっているのでヘックスビットが軸まで届いています。
この方法だとトルクレンチが使えないので、ネジ山の数(4~5山)を基準に締め付けます。
ちなみにトップナットは再利用不可なので新品を用意しています。(品番:31106774714)
コイルスプリングを縮めていた紐を切ります。
バネの力はすさまじいので慎重に作業します。適当な作業をすると大けが間違いなしです。
BMW Z4サスペンション取り付け方法
取り付け作業は逆の手順で行います。
フロアジャッキを慎重に下げる。→サスペンションを差し込む。→フロアジャッキを慎重に上げる。
サスペンション下部には突起があり、ナックルアーム側には溝があるので合わせやすいです。
私が調べたところ規定トルクはこんな感じでした。
もしかしたら年式などで規定値が違うかもしれません。
足回りは特に怖いのでトルクレンチを使うのが吉です。
アッパーマウント上部の3本のナットもセルフロックナットなので新品を用意します。(品番: 31316769731)
運転席側の作業時には、負荷をかけないようにロアコントロールアームのセンサーは外した方がいいです。
アッパーマウントはLEMFORDER製です。(品番:31336779613)
MEYLEかSACHSかLEMFORDERあたりなら間違いないかなという感じですね。
中国製は安いですが品質が不安なので極力使わないようにしています。
リアの交換作業はこちらの記事から。
参考動画です。